iPhone・iPadでSideStoreを用いてApp Store外のアプリをサイドロードする方法
サイドロードとは?
サイドロードとは、iOSならApp Store、AndroidならGoogle Play Store以外からアプリをインストールすることを指す。 これにより、アプリを特定のバージョンに戻したり、正規のアプリストアで配信されていないようなアプリをインストールできる。 Androidはapkと呼ばれるファイルを入手することで直接サイドロードできるが、iOSは制限が厳しく、一般的なユーザーはサイドロードできるアプリが3つに制限される、7日に1回再署名が必要、通知機能が使えないなど大きなデメリットを有する。 ここではサイドロードできるアプリ数を擬似的に無制限にし、かつ7日に1回の再署名の負担をできる限り少なくできる方法を解説する。
手順
AltServerを用いてSideStoreをサイドロードする
ここではAltServerを用いてSideStoreをサイドロードし、使えるようにする。 この手順ではPCが必要になる。
方法
1.PCでSideStoreのサイトを開く
以下のリンクからSideStoreのサイトを開く。
2.AltServer、SideStore、idevice_pair、iTunes、iCloudをダウンロードし、AltServer、iTunes、iCloudをインストールする
WindowsではiTunesとiCloudはMicrosoft Storeでインストールしたものは利用できないため、それらがすでにインストールされている場合は一度アンインストールしてからSideStoreのサイトからダウンロードしたiTunesとiCloudをインストールする。 MacではAltServer、SideStore、idevice_pairをダウンロードし、AltServerをインストールする。
3.iPhoneまたはiPadで設定アプリを開く
4. "プライバシーとセキュリティ" をタップする
5. "デベロッパーモード" をタップする
6. "デベロッパーモード" をオンにする
7. "再起動" をタップし、デバイスを再起動する
8.デベロッパーモードを有効にする
再起動後の画面でホームバーを上にスワイプし、 "有効にする" をクリックする
9.PCとiPhoneまたはiPadをUSBケーブルで接続する
この時点でiPhoneまたはiPadのロックを解除しておく。
10.iPhoneまたはiPadに表示された "信頼" をクリックする
11.PCでAltServerを起動する
12.システムトレイ上のAltServerのアイコンをShiftキーを押しながらクリックする
Macではメニューバー上のALtServerのアイコンをOptionキーを押しながらクリックする
13. "Sideload .ipa" からUSBで接続した端末の名前をクリックする
14.ダウンロードしたSideStoreのIPAを選択する
15.Apple IDとそのパスワードを入力し、 "Install" をクリックする
これにより、入力したApple IDでSideStoreのIPAに署名を行い、サイドロードをしたことになる。
16.iPhoneで設定アプリを開く
ここからはPCとiPhoneまたはiPadがUSBで接続されていなくても問題ない。
17. "一般" をタップする
18. "VPNとデバイス管理" をクリックする
19. "デベロッパアプリ" の下の、 "[15で入力したApple ID]" をタップする
20. "[15で入力したApple]を信頼" をクリックする
21. "許可" をクリックする
22.PCとiPhoneまたはiPadをUSBケーブルで接続する
この時点でiPhoneまたはiPadのロックを解除しておく。
23.PCでidevice_pairを起動する
Windowsの場合、ダウンロードしたidevice_pairのファイルをクリックすると "WindowsによってPCが保護されました" と表示されるが、 "詳細情報" をクリックしてから "実行" をクリックする
24. "Load" または "Generate" をクリックする
25.iPhoneまたはiPadに表示された "信頼" をクリックする
26. "SideStore" の下の "Install" をクリックする
ペアリングファイルはiPhoneまたはiPadをアップデートするとペアリングファイルが無効になるため、その際は再度ペアリングをする必要がある。
27.iPhoneまたはiPadでStosVPNをインストールする
以下のリンクからStosVPNをインストールする
28.StosVPNを開く
29. "Connect" をタップする
30. "許可" をタップする
SideStoreでアプリをサイドロードしたり再署名する際はVPNに接続している必要がある。 他のVPNを利用中でなければ、常に接続した状態にしておくことを推奨する。
31.SideStoreを開く
32. "Settings" タブで "Sign in with Apple ID" をタップする
33.15で入力したApple IDでサインインする
34. "Got it" をタップする
35. "Refresh Now" をタップする
36.拡張機能を保持または削除するか選ぶ
拡張機能とはウィジェットや共有メニューといった機能のことであり、その機能ごとにApp IDが存在する。 Apple Developper Programに登録していないApple IDで署名をした場合、登録できるApp IDが10個までに制限される。 他にもSideStoreでサイドロードしたアプリの拡張機能を使うためにApp IDを登録する場合、ここでSideStoreの拡張機能を保持するか削除するか選択する必要がある。 なお、ここでRefreshができない場合はStosVPNに接続中であることを確認するか、ペアリングファイルを再度設定する。
SideStoreを用いてLiveContainerをサイドロードする
ここではSideStoreを用いてLiveContainerをサイドロードし、使えるようにする。 また、LiveContainerに限らずSideStoreでアプリをサイドロードする手順はこれと同様である。 さらにサイドロードしたアプリをアップデートする際も同様の手順で行う。 この手順ではPCは使わない。
方法
1.LiveContainerのIPAをダウンロードする
以下のリンクからLiveContainerのIPAをダウンロードする。 LiveContainer以外のアプリをサイドロードする際はそのIPAをダウンロードする。
2.SideStoreを開く
3. "My Apps" タブで 左上の "+" をタップする
4.LiveContainerのIPAを選択する
サイドロードするアプリのIPAを選択する。
5.拡張機能を保持または削除するか選ぶ
これでサイドロードが完了するが、アプリの署名期限が0日になる前に "My Apps" タブからRefleshをする必要がある。 もし署名期限が0日になった場合、そのアプリは起動できなくなるので再度この手順でアプリをサイドロードする必要がある。 また、Refreshができない場合はStosVPNに接続中であることを確認するか、ペアリングファイルを再度設定する。
SideStoreによるサイドロードのメリット
・サイドロードできなくなるリスクがない
証明書を用いて行うサイドロードと違い、サイドロードできなくなったりサイドロードしたアプリが使えなくなることがない。
・無料で実行できる
SideStoreの利用には一切コストがかからない。
・アプリの再署名時にPCに接続したり、PCと同じWi-Fiに接続している必要がない。
SideloadlyやAltStoreと違い、再署名はスマホ単体で行える。
SideStoreによるサイドロードのデメリット
・署名期限が0日になる前にRefreshする必要がある
7日に一度、サイドロードしたアプリを再署名しないとsプリが利用できなくなる。
・署名期限が0日になった場合は再びサイドロードする必要がある
署名期限が切れた場合はアプリのアップデートの際と同じようにもう一度サイドロードする必要がある。
・App IDは11個以上登録できない
拡張機能やウィジェットごとにApp IDが1つ消費されるため、11個以上にならないように利用する拡張機能やウィジェットを選択する必要がある。
・アプリはSideStoreを含めて4つ以上サイドロードできない
この方法ではアプリは3つまでしかサイドロードできず、さらにその枠の1つをSideStoreが使用するため、後述のLiveContainerを利用しない限り実質アプリは2つまでしかサイドロードできない。
・アプリの通知機能が利用できない
通知機能を利用したい場合は証明書を用いたサイドロードを行う必要がある。
・デバイスのアップデート毎にペアリングをする必要がある
ペアリングファイルはiPhoneまたはiPadをアップデートするとペアリングファイルが無効になるため、その際は再度ペアリングをする必要がある。
LiveContainerを用いてサイドロードする
先述の通り、SideStoreではそれを含めて4つ以上のアプリのサイドロードができない。 そこで、LiveContainer内でアプリを動かすことでその制限を突破するという方法がある。 サイドロードしたアプリをアップデートする際も4・5・6を同様の手順で行う。
方法
1.LiveContainerを開く
2. "設定" タブで "SideStoreから証明書をインストール" をタップする
3. "Export" をタップする
4. "アプリ" タブで左上の "+" をタップする
5. "IPAファイルをインストール" をタップする
6.サイドロードするアプリのIPAを選択する
7.サイドロードしたアプリを長押しする
8. "ホーム画面に追加" をタップする
9. "アプリクリップを作成" をタップする
10. "許可" をタップする
11. 設定アプリを開く
12. "ダウンロード済みのプロファイル" をタップする
13. "インストール" をタップする
14. "次へ" をタップする
15. "インストール" をタップする
15. "インストール" をタップし、パスワードを入力する
これにより、ホーム画面上にサイドロードしたアプリのアイコンが追加され、タップすると起動できるようになっている。
LiveContainerによるサイドロードのメリット
・サイドロードできなくなるリスクがない
証明書を用いて行うサイドロードと違い、サイドロードできなくなったりサイドロードしたアプリが使えなくなることがない。
・無料で実行できる
LiveContainerの利用には一切コストがかからない。
・7日に1度アプリを再署名する必要がない
LiveContainer上でインストールしたアプリは再署名の必要がない。 ただしLiveContainer自体はSideStoreのアプリから署名期限が0日になる前に再署名する必要がある。
・サイドロードできるアプリ数に制限がない
SideStoreでのサイドロードと違い、サイドロードできるアプリ数に制限がない。
LiveContainerによるサイドロードのデメリット
・アプリは同時に1つまでしか起動できない
LiveContainer上で擬似的にアプリを起動しているため、アプリは同時に1つまでしか起動できない
・通知機能、ウィジェットや共有メニューといった機能が利用できない
LiveContainer上で擬似的にアプリを起動しているため、通知機能、ウィジェットや共有メニューといった機能が利用できない
・LiveContainerの利用にはSideStoreが必要になる
LiveContainerでサイドロードしたアプリは再署名が必要ないものの、結局LiveContainerはSideStoreを介して利用するためSideStoreと共に7日に1回は再署名が必要になる。
サイドロードの動き
先述のようにiOSでは厳しく制限されているサイドロードだが、これにはもちろんメリットがある。 Appleにとっての主なメリットは、アプリストアをApp Storeに限定することでアプリ内の課金や定期購入などによる収益を独占できること。 ユーザーにとっての主なメリットは、App Storeでは審査に通ったアプリしか配信されないため、危険なアプリをインストールするリスクを避けられること。 しかし、EUが2024年にEU域内で販売される端末にサイドロードの解放を義務化し、日本政府も同じような方針を打ち出している。 サイドロードが解放されれば他のアプリストアが使えるようになって課金や定期購入の金額が安くなったり、App Storeで配信されていないアプリをインストールできるようになったりとユーザーにとって利便性が上がるものの、セキュリティでの懸念点が大きくなる。 サイドロードはまさに両刃の剣である。
プロフィール
高度情報社会の最先端を駆け抜ける
AltStoreより引用
SideStoreより引用
GitHubより引用